【『学び合い』の授業】おに先生の課題のつくり方②
以前、このような記事を書きました
今回は、この記事で紹介した課題と少し異なる課題のつくり方を紹介します。
「単元プリント方式」
とでも呼びましょうかね。
※著作権の関係から画像を加工しています。
単元プリント方式とは
このプリントは課題と学習プリントがセットになっていて
この単元は全部で19枚あります。
プリントを事前に子どもの人数分印刷して、ホッチキス止めし子どもたちに渡しました。
このプリントは、教科書の問題や説明をコピーしたものを
切り貼りしていて作成しています。そこに、
・公式を読んで覚える
・◯人に説明
・教科書の説明を理解する
などの課題を手書きで書いています。
手書きなのは、切り貼りに対応しやすいからです。
このプリント方式のよいところは、図形やグラフをノートに書く必要がない
ということです。
算数の教科書は、ノートに書きやすい単元と、書くだけで大変な単元があります。
特に図形の単元は、教科書の問題をうつすのはとても時間がかかります。
図形を描くだけで時間が取られてしまい、本来の勉強が進みません。
以前は、図形の問題をコピーして、ノートに貼らせたりしていましたが、
準備にも作業にも時間がかかるので、全部プリントにしてしまう方がいいと考えました。
授業ではそのプリントの課題にそって、一枚ずつ取り組んでいきます。
答えを書いたプリントつづりを教卓におき、子どもたちはそれを見たり、
PDFにしてクラスルームに配信しているので、個々の端末から見て答え合わせをします。
さて、実践してみてどうだったでしょうか。
まずはメリット・デメリットを挙げてみます。
メリット・デメリット
このプリント方式のメリットは、子どもたちが自分たちで学習が進められるところです。
毎回「なんの課題にしようか」と考える必要はありません。
予習もしやすいので、2・3日で課題を終えてしまう子もいます。
また、1日にどこまで進むという制限もないので、それぞれのペースで学習を進められます。
学級担任をしていて、1日の中に余裕のある時間があるかないかは、仕事を進めていく上で
大きな違いだと考えています。
一方で、子どもたちはプリントを終わらせることに集中してしまい、「一人も見捨てない」の心がけが甘くなったり、一つひとつの課題への理解が曖昧になったりしてしまうこともあります。
デメリットへの対策
このプリント方式、実は結構前から実践を行っていて、子どもたちがどんな動きをするのか、どんなことがデメリットなのかある程度、想定しています。そこで、対策として以下のことを
行いました。
・課題の要所要所に「先生のチェック」を入れる
・毎時間、計画とふりかえりを書く
・1問テストをする
です。以下、それぞれ説明します。
〈課題の要所要所に「先生のチェック」を入れる〉
プリント方式は、子どもたちの学びがバラバラになる上に、
取り組み方が甘くなる傾向にあります。
そこで、要所ごとに「先生」を入れることで、確認することができます。
以前はこの「先生」のところを多くしすぎて、課題がなかなか進まないということも
ありました。このような項目を入れるか入れないか、入れるならどれくらい入れるかは
子どもたちの状態や先生の考え方によりますので「これ」というものはありません。
〈1時間のふりかえりを書く〉
この紙を課題プリント集の一番上に置き、毎時間書いては、提出するようにしています。
以前は、この紙を別の台紙貼っていたのですが、管理が面倒なので、一冊にまとめることにしました。授業のはじめに「計画」「めあて」を書き、授業のおわりに「ふりかえり」を書く。
目新しさはありませんが、毎日続けると間違いなく、子どもたちの自律度が増していくと
思います。時々思いもよらないような振り返りを書いている子もあり。
給食時間などに一気に目を通してすぐに返却します。
〈一問テスト〉
ふりかえりを書く前に、簡単なテストを一問だけ解くようにしています。
これもするかしないかは、子どもたちの状態にもよると思いますし、先生の考え方にもよると
思いますが、このプリント方式の時はやった方がいいと考えています。「自分が何が分かっていないか気づく」これは振り返りで子どもたちが自分のことをテストの点数を上げる一歩だと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このプリント方式、私が今まで『学び合い』を実践してきて生み出したものなので、参考になるかは分かりませんが、一つの例として知ってもらえたらなと思います。プリントを制作するのに時間がかかることが最大の欠点だと思いますが、一度つくれば、使い回しが可能なのも、このプリント方式のいいところです。
ちなみに参考にしたのはこの本です。