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【『学び合い』の授業】おに先生の課題のつくり方②

 

以前、このような記事を書きました

onisensei024.hatenablog.jp

 

今回は、この記事で紹介した課題と少し異なる課題のつくり方を紹介します。

 

「単元プリント方式」

 

とでも呼びましょうかね。

著作権の関係から画像を加工しています。

 

 

単元プリント方式とは

このプリントは課題と学習プリントがセットになっていて

この単元は全部で19枚あります。

プリントを事前に子どもの人数分印刷して、ホッチキス止めし子どもたちに渡しました。

 

このプリントは、教科書の問題や説明をコピーしたものを

切り貼りしていて作成しています。そこに、

 

・公式を読んで覚える

・◯人に説明

・教科書の説明を理解する

 

などの課題を手書きで書いています。

手書きなのは、切り貼りに対応しやすいからです。

 

このプリント方式のよいところは、図形やグラフをノートに書く必要がない

ということです。

算数の教科書は、ノートに書きやすい単元と、書くだけで大変な単元があります。

特に図形の単元は、教科書の問題をうつすのはとても時間がかかります。

図形を描くだけで時間が取られてしまい、本来の勉強が進みません。

以前は、図形の問題をコピーして、ノートに貼らせたりしていましたが、

準備にも作業にも時間がかかるので、全部プリントにしてしまう方がいいと考えました。

 

授業ではそのプリントの課題にそって、一枚ずつ取り組んでいきます。

答えを書いたプリントつづりを教卓におき、子どもたちはそれを見たり、

PDFにしてクラスルームに配信しているので、個々の端末から見て答え合わせをします。

 

さて、実践してみてどうだったでしょうか。

まずはメリット・デメリットを挙げてみます。

 

メリット・デメリット

 

このプリント方式のメリットは、子どもたちが自分たちで学習が進められるところです。

毎回「なんの課題にしようか」と考える必要はありません。

予習もしやすいので、2・3日で課題を終えてしまう子もいます。

また、1日にどこまで進むという制限もないので、それぞれのペースで学習を進められます。

学級担任をしていて、1日の中に余裕のある時間があるかないかは、仕事を進めていく上で

大きな違いだと考えています。

 

 

一方で、子どもたちはプリントを終わらせることに集中してしまい、「一人も見捨てない」の心がけが甘くなったり、一つひとつの課題への理解が曖昧になったりしてしまうこともあります。

 

 

デメリットへの対策

このプリント方式、実は結構前から実践を行っていて、子どもたちがどんな動きをするのか、どんなことがデメリットなのかある程度、想定しています。そこで、対策として以下のことを

行いました。

 

・課題の要所要所に「先生のチェック」を入れる

・毎時間、計画とふりかえりを書く

・1問テストをする

 

です。以下、それぞれ説明します。

 

〈課題の要所要所に「先生のチェック」を入れる〉

プリント方式は、子どもたちの学びがバラバラになる上に、

取り組み方が甘くなる傾向にあります。

そこで、要所ごとに「先生」を入れることで、確認することができます。

以前はこの「先生」のところを多くしすぎて、課題がなかなか進まないということも

ありました。このような項目を入れるか入れないか、入れるならどれくらい入れるかは

子どもたちの状態や先生の考え方によりますので「これ」というものはありません。

 

〈1時間のふりかえりを書く〉

 

この紙を課題プリント集の一番上に置き、毎時間書いては、提出するようにしています。

以前は、この紙を別の台紙貼っていたのですが、管理が面倒なので、一冊にまとめることにしました。授業のはじめに「計画」「めあて」を書き、授業のおわりに「ふりかえり」を書く。

目新しさはありませんが、毎日続けると間違いなく、子どもたちの自律度が増していくと

思います。時々思いもよらないような振り返りを書いている子もあり。

給食時間などに一気に目を通してすぐに返却します。

 

〈一問テスト〉

ふりかえりを書く前に、簡単なテストを一問だけ解くようにしています。

これもするかしないかは、子どもたちの状態にもよると思いますし、先生の考え方にもよると

思いますが、このプリント方式の時はやった方がいいと考えています。「自分が何が分かっていないか気づく」これは振り返りで子どもたちが自分のことをテストの点数を上げる一歩だと思います。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。

このプリント方式、私が今まで『学び合い』を実践してきて生み出したものなので、参考になるかは分かりませんが、一つの例として知ってもらえたらなと思います。プリントを制作するのに時間がかかることが最大の欠点だと思いますが、一度つくれば、使い回しが可能なのも、このプリント方式のいいところです。

 

ちなみに参考にしたのはこの本です。

 

『学び合い』の課題のつくりかた

 

 

 

現在私は小学校5年生の担任をしています。

主に算数の授業で『学び合い』の授業を行なっています。

(正確に言えば、僕の教育実践の根底が『学び合い』の考え方なので、実践自体は教科や内容に限りませんが、算数が本に載っているオーソドックスな授業なので、こう書きます)

 

今回のブログでは、私がどのように課題をつくっているか、紹介したいと思います。

 

1点注意していただきたいのが

あくまで「おに先生の『学び合い』の課題のつくりかた」であるということです。

参考程度に見ていただけたらと思います。

 

 

まずは、先日課題を考える際にメモしたノートの1ページです。

字が雑なのは置いておいて、結構ざっくりですよね。

この写真からだと分かりにくいですが、よく見ると

大きな課題と、補足事項必修事項がそれぞれ書いていると思います。

 

大きな課題は、時間内に子どもたちに達成してほしいことです。

「〜できる」の文末が基本です。

 

今回の単元では「3人以上に説明できる」としている課題が多いと思います。一ヶ月近く『学び合い』の授業を実践してきて、関わり合うことに慣れてきた一方で、人間関係が固定化しだしてきたことを「ほぐす」ねらいがあります。また、一つの問題の解き方を考える課題の場合、3人以上にすると、説明しているうちに自分の理解が深まっていくと考えています。

 

補足事項は、課題の内容には関係ないけれど、課題や子どもたちの取り組みに対して注文をしたいときに使います。☆の項目がそれです。例えば「説明を聞いて納得できたらサイン」という注文書いています。これを大きな課題に入れると課題自体が長くなって、何がなんだかわからないので、課題はシンプルに、補足は別に伝えるというのが僕の手法です。

 

 

必修事項は課題を達成する中で、必ず子どもたちに取り組んでもらいたい「チェックポイント」のようなものです。算数の教科書には「定義」や「法則」が「まとめ」という形でのっていることが多いです。課題に取り組む中でそれらに触れていれば問題ないのですが、意外と触れないことが多いと考えています。だから「必ず触れておく」という項目を書いておきます。もちろん、触れるだけで理解していなければ全く意味がないのですが、それは一斉授業でも、その他の教育実践でも同じ。本人が課題に取り組む中で「ああこれのことか」と気づけるようになるまでのあいだは、とにかく書かせておく、と考えています。

 

このメモを書くだけで10分くらい。本当に時間がないときは、このまま黒板に書き1時間ずつ授業をしていきますが、せっかくだからまとめて子どもたちに伝えた方がいいと思います。なぜならどんどん学ぶ子が予習できるからです。

 

次に、子どもたちに課題を伝える際、以前は以下のようなプリントを作成して

子どもたちに配っていました。

上のメモに比べると、必修事項がだいぶ細かいと思います。

また、振り返りを書く欄もあると思います。

この時は、学習の足跡をしっかり残したいという想いと、

学習の振り返りまで行いたいという想いがあったんだと思います。

 

 

ただ、子どもたちはこの課題に沿って学習していくので、ブレることはなくなりますが、

教員の準備に時間がかかることと、子どもたちの学びに自由度が少ないともいえます。

バランスが悪い。

 

そこで、今年度は課題一覧を「Googleスライド」で作成しました。

 

 

分数の作成だけはアプリを使っているので特殊なのですが、それ以外は、すぐにつくることができます。あとは、クラスルームなどから配信するだけです。こうすることで、子どもたちは自分の端末から課題を見ることができるし、もちろん予習をすることもできます。はじめてやってみたけれど、結構うまくいったように思います。

 

 

いかがだったでしょうか。参考になる部分があれば幸いです。

 

一方、算数の授業を研究している方、日々一生懸命教材研究をしている方にとっては

「適当すぎる」と思われるかもしれません。

 

大いに結構です。ただ私にはもう教材研究に時間をかけている暇はないのです。また、時間をかけたからといって、子どもたちのためになるとは限らない。

 

これは、学校教育現場に蔓延る「悪いクセ」だと思っています。僕は、とにかく短い時間で最大の成果を求めます。それがこの『学び合い』の課題のつくりかたです。もちろん、この課題だけでは『学び合い』の授業は継続しません。

 

この課題が本当に最適だったのか、子どもたちの様子を見取り、適宜修正する必要があります。そして、子どもたちに何を語るか、考え続ける必要があります。そういう意味では、課題は簡単でも、『学び合い』の授業自体は簡単ではないのです。

 

見取り、語り、修正・・・

このあたりは本当に文章に表しづらい部分です。だからこそ「対話」が必要だと思います。

『学び合い』の会などで、語り合う機会はとても大事だと思っています。

 

そろそろ開催するか、参加したいものです。

 

 

テストの点数を目標にする 『学び合い』の実践(過去記事再編)

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『学び合い』ではテストの点数を目標にします。

 

テストの点数を目標にすることについては、西川先生の本では次の2冊で説明しています。

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『学び合い』の難しさ。新任教員の難しさ(過去記事再編)

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昨日は、『学び合い』全国フォーラムオンライン2021に参加しました。

 

 私はその分科会の一つに参加しました。

 

『学び合い』名作劇場~サンダVSガイラ(1966)

 

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